危険物質投入罪で起訴されていた食品工場の元臨時従業員、呂月庭被告(39)は犯行の動機について、トラブルを発生させることで工場側に自分の待遇改善を訴えたかったとした。被告は15年間、臨時従業員として勤務していたという。
同事件は日本のみならず、中国でも大きな注目を集めたが、微博ユーザーからは「何があってもこんなことをしちゃダメだろ」、「だったら転職すればよかったのに」、「毒を盛れば給料が上がる? これってどんなロジックだ?」、「頭がおかしいな。どうりで15年間も臨時従業員のままなわけだ」など、呂被告を非難するコメントが多く寄せられた。
しかし、「気持ちは理解できる。だがやり方が間違っている」、「従業員には優しく接しないと」、「工場の社長は腹黒過ぎだろ。だから従業員を極端な行為へと走らせた」など、呂被告が述べた犯行動機に理解を示す意見もあった。
また、「社会の不公平が招いた後遺症だ」、「社会が不公平だと、不安定要素が増すだけ」、「貧富の差が大きくなるほど、この種の社会に報復する事件は多くなる」など、中国社会の問題であるという意見が寄せられたが、「日本が中国を侵略していなければ、中国はこんなにも貧しくなることはなかった」と日本に責任転嫁するユーザーもいた。
毒ギョーザ事件では当初、中国側は毒物が“中国で混入した可能性は低い”と主張していた。また、中国メディアは「報道は理性に基づかねばならず、あいまいな事柄を根拠にしてはならない。またでっち上げによる暗示や誘導を通して、市民の判断を誤らせるようなことはしてはならない」と、日本を批判した。
微博ユーザーからも「事件発覚後、わが国は日本が悪い、故意に日中関係を破壊しようとしているなどと宣伝していたのに、3年もたった今になって裁判ってどういうこと? 目的は何?」と勘繰るコメントもあった。(編集担当:畠山栄)(写真は「CNSPHOTO」提供、事件発生後に中毒被害が出た製品を製造した河北省・天洋食品を取材のため訪れた内外の記者)
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